捕食(口に入れる)・咀嚼(咬む)・嚥下(飲み込む) 障害について
認知期は食べ物を食べ物だと認識する時期で、認知症の方に多く見られる障害です。
食事の見た目や声掛け、においを活用した食事介助や老介護の介護食調整など社会・経済・心理的対応が主になります。
食べ物を噛んで食べやすい形にする時期です。
歯の治療や入れ歯を入れるのはこの時期の障害を改善するためです。
歯もなく入れ歯も入れられない場合は、食事形態を工夫し丸飲みや窒息の危険性を軽減することを目標とします。
飲み込む前の段階で、頬や舌など食事や飲み物を喉の奥へ運ぶ時期です。
頬・舌・上顎の後ろの筋肉などの機能が落ちてくると、上手に食べ物を奥まで運ぶことができなくなります。
脳梗塞などで動かなくなっている場合もありますが、機能改善のための口腔ケアや体操・食事介助の工夫をします。
喉の奥で反射によって行われる時期です。
反射のタイミングがずれると食べ物が肺に入り、命に関わることもあります。
この時期の障害は、口から食べ物が食べられなくなってしまうことも多く、個々の機能に合った嚥下リハビリや食事形態調整を行っていきます。
食べ物が食道に入った後の障害です。
食べ物が胃まで落ちなかったり、逆流したりすると逆流性食道炎や肺炎を起こす原因となります。ここでの障害も口から食べられなくなることがあり、胃瘻管理も視野に入れながらの嚥下リハビリを行います。
摂食嚥下障害というと咽頭期だけを考えてしまい、口腔期・咀嚼期を放置してしまうことが多いのですが、当院では嚥下障害は5つのステージに分けて考え、それぞれに合わせたケアを提供しております。
食べるということは食べ物を
(1)認識し (2)細かく噛んでまとめ (3)喉の奥に送り込み (4)飲み込んで (5)食道まで送り込む
ことです。
一般的に、咀嚼期・口腔期は改善しやすく、認知期・咽頭期・食道期の問題は改善しにくいとされています。
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